初めから問題なんてなかった!?  頂点問題とは・前編

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いきなりですが、

『TFT〈思考場〉療法入門―タッピングで不安、うつ、恐怖症を取り除く』ロジャー・J・キャラハン著

という本がありまして、その第7章におもしろい記述があります。

「頂点問題」についてです。

 

頂点問題――皆さんはお聞きになったことはありますか? 私はこの本を読んで初めて知りました。

というか、後にも先にもこの本以外ではお目にかかったことがない言葉。どうやら著者のキャラハン氏(故人)オリジナルの用語のようです。本には「英国の作家ケストラーから借用した」言葉とあります。

 

頂点問題とはなにか。

本(P.217)から引用すると「頂点問題とは、ある人の問題が除去された場合、当人が問題がなくなったと言いながら、治療によってなくなったことを認めない現象である」ということです。

「彼らは心理的苦痛が消えた事実は認めるのだが、こんな簡単な治療でそれが起こったとは考えられない」P.217)

 

キャラハンさんの体験として、スピーチが苦手で緊張している女性に対して彼がちょこっとタッピングして緊張を取り除いたら彼女は落ち着いて素晴らしスピーチができたのに、終わったあとは「彼女は「自然に消えてしまったのよ」と答えた。TFTのおかげだなどとは少しも考えていなかったのだ。」P.216)というようなことです。

TFTをするとこういうことがしばしば起こると彼はいいます。

そして本では一章を割いて、どうしてこのようなことが起こるのか、ちゃんと治療の効果を患者に認めさせるにはどうしたらいいか、について説明しています。

 

ちなみにTFTというのはキャラハンさんが発見した療法で、トラウマ、不安、うつ症状、強迫観念等さまざまは心理的状況が、身体の経絡のポイントをいくつか順番にタッピングするだけでたちまち改善、あるいは消え去るという療法です。

誤解のないようにいうと、TFTはタッピングといってもボディートークのタッピングとは全く別もので、何の関係もありません。ボディートークとはタッピングの仕方も、する場所も全然違います。

むしろ関係あるのは、インテグレート・ヒーリング(IH)の方で、IHではTFTのタッピングをアレンジしたものを一つの修正方法としてリストに挙げています。

余談になりますが、IHで使用するにあたっては、マチルダは生前のキャラハンさん本人から直接、使用の許可を得ています。

アッセンブリッジポイントの話のときも書きましたが、こういうところ、マチルダの誠実な姿勢が素晴らしいと思います。

このTFTのタッピングについては、とても簡単に使えるが故に、その後あちらこちらで独り歩きしているようで、「エネルギータッピング」などという名前で出回っているのを別の本で見かけたこともありますが、それも元はキャラハンさんのTFTをアレンジしたものと思われます。が、その本にはそんな記載はいっさいありません。もはやその本の著者がそれを知っているのかどうかさえわからないという状態です。

 

話が逸れましたが、頂点問題に戻しますと、私もこの「頂点問題」に出くわしたことがあるので、ここでご紹介したいと思います。

それはボディートークでもIHでもない、ある療法のセミナーに出たときのことです。

その療法は心理カウンセリングの分野のもので、私は基本的に心理カウンセリングについてはそれほど興味もなく、受けたこともなければもちろん施術に使うこともないのですが、その療法だけは興味があって、たまに参加して(というかモグリこんで)いました。

 

どんな療法でもそうですが、セミナーに出ると実習の時間があって、二人でペアになって「では今学んだことをお互いにやってみましょう」となります。

そのときはある女性とペアになり私が彼女に施術してみることになりました。

といっても私はその療法の先生の話を聞きたくて参加しているだけで、自慢じゃないけど、1年前に参加して以来、実際にその療法を使ったことは一度もないのです。それなのになぜか上級コースに潜り込んでいて、周りはみんな受講生とはいえ「先生」と呼ばれるカウンセリングや精神科の専門家ばかり、というけっこうピンチな状態……ヤバい、モグリがばれる~(^^;

ですが、運よくというか類は友を呼ぶというか、私とペアになった方も実は私と似たような状態だったらしく、お互いに「良かった~」と胸をなでおろしました(^^;

それで我々はひとしきりおしゃべりした後、やり方もよくわからないまま、まあ形だけでもやってみましょうかね、という感じで気楽にやってみることにしました。

 

その療法ではいくつかの言葉があって、それを施術側が選んで受ける側の人に言ってもらって、言葉がヒットすればお悩みが改善するというようなやり方だったと思います。

要は、ヒットする言葉をテクニックを使って選ぶというのが施術者の重要な仕事なのですが、なにしろそのテクニックを普段使ったことがないので、ろくに使えません。ほとんどあてずっぽうです。(実はズルしてちょこっとボディートークの筋反射も使ってみたけど、見つからないようにこっそりだったのであまりできなかった)

まずはお悩みを聞いて、あれやこれや手順を踏んでから言葉を選んでお相手に言ってもらいます。(というような流れだったと思う←すでに記憶があやふや(^^;)

 

 「これ(ある言葉)でどうですか」

お相手 「うーん、変わらないですね」

 「じゃあ、これ(別の言葉)はどうですか」

お相手 「うーん、変わらないですね」

 

というようなやり取りを繰り返すこと数回、

 「じゃあ、これはどうですか」

お相手 「………」

しばらく沈黙した後、その方はこうおっしゃったのです。

「あの、ごめんなさい。私、もともとこのことについては悩んでいなかったみたいです」

 

 「!! そうですか~(^^)」

といってお互いに笑い合ったのですが、私は心の中で、「出た、頂点問題!」 と叫びました。

 

もともと悩んでいなかったという言葉、たぶんそのときのその方の本心だと思うのです。

変化は感じられないけど、時間がかかって面倒くさいな、いい加減終わらせたいなと思ったのなら、お互いに「全然使っていないんですよ~、適当にやりましょうね」と言い合った仲なので、「(変わらないけど)もういいですよ」と軽くおっしゃってもいいし、あるいは気を遣う方なら「なんとなく変わったような感じがします」とかいって適当に終わらせることもできたと思うのです。

だからその言葉は本心だと思うのです。

そして本心だとしたら、初めに「何かお悩みは?」と聞いたときは即答されたのに、突然、もともと悩んでいなかったって、いやいや、普通に考えたらおかしいでしょ(笑)

逆に、普通に考えたらおかしいので、なおさら「本心でなければ出てこない言葉」と思うわけです。

 

そして普段まったく使ったことのない自分がやっても効果あるって、その療法はやっぱりすごいなあと、改めて思ったのですが、それは置いておいて、この「もともと問題がなかった」問題、興味深いですよね。

 

長くなりそうなので続きは次回に(^^)

柚子の木 今日は冬至ですね💛

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