初めから問題なんてなかった!?  頂点問題とは・後編

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前回から引き続き頂点問題についてです。

キャラハンさんは、「最もよく見られる現象は、「あなたが私の気を散らしたから、問題のことを考えられなくなってしまった」というものである。」と言います。

苦痛だと思っていることを考えられなくなるのですから、それは効果があったと私は思いますが、キャラハンさんの患者さんは「問題はあるけど、考えられない」という言い方をするらしいのです。それで診察室の壁に「治療の後では、問題を考えても動揺することができません」という張り紙をしたそうです。(P.219)

 

私なりにまとめると、この治療による効果を否定するパターンについては3パターンあるようです。

①問題は「自然に消えてしまった(治療とは関係なく)」

②問題は「もともとなかった」

③問題は「今もあるが問題のことを考えられなくなってしまった」

前回書いた、彼がタッピングしたスピーチ恐怖症の女性は①のパターン。私が体験した方は②のパターンですね。

そしてなぜこのような問題が起きるのかについては、マイケル・S・ガザニガ博士の研究をあげて「左脳が馴染みのない現象に対して説明をでっちあげる」(P.220)という現象だと思われるとしています。

本にはもちろんもっと詳しいこと、頂点問題の事例もいろいろ載っているのでご興味のある方は直接本をご覧くださいね。キャラハンさんは素晴らしいテクニックを開発したのに、あまりにも簡単に良くなってしまうがゆえに、かえってその素晴らしさや効果を患者さんに認識してもらえないというジレンマに陥り、かなり残念な思いをされたことがうかがえます。

 

それはそれとして、この頂点問題という現象について私なりに考えてみました。

実はこの感じ、私自身もセッションを受ける側として考えても思い当たることもあるのです。なのでこれはTFTに限った現象ではないのではないかと思い、今回この記事を書いてみようと思ったわけですが。

身体的症状などはわりとはっきりと効果のあるなしがわかりますよね。

でも心理面の問題の場合、すっかり問題がなくなると、もともと問題はなかったそんなことで悩んでなかった、とまではいかないにしても、それは初めからたいした問題じゃなかった、という感じになったりすることがあります。これは①、②のパターンですね。

これは普通でいえば「喉元過ぎれば熱さを忘れる」ということでもあると思いますが、ガザニガ博士の研究のように「左脳が馴染みのない現象に対して説明をでっちあげている」のかもしれませんね。

実は私は「世界が変わったから」なんじゃないかと思っていたのですが、世界を認識している脳が急な変化に混乱しているだけなのかもしれません。

でも、世界が変わったという考えからいうと、ボディートークではよく「シフトする」という言葉を使うのですが、時というものは(空間も)実際には無いので、今が変われば実は過去も変わるということなのですね。現在も過去も、問題のない世界に移行してしまうのです。

なので「もともと問題はなかった」ということになるのですね。そして本来の自分に近づく方向にシフトすればするほど、自分自身としての違和感はないので、ごく自然に変わった、あるいはもともと問題はなかったという認識になるのではないかと私は思うのです。

 

③についてはどうでしょう。何か問題だと思っていたものが、霧散してしまう感覚はある、でもまだ問題はあるという感覚。こういう感覚も私はときどきあります。

なぜ「今も問題はあるが」という感覚が残るのかというと、それはさらに奥にある問題が表れてくるからということも多いのではないかと思います。この「奥にある問題」というのは、実は前からある問題なので、なにかしらずっと解決していない、感じがするのです。

Aという問題は霧散してしまった。のでA問題のことで動揺することはできない。でも奥にあるBという問題に脅かされているような気がしたりするのです。

これは実は②とも連動していたりします。A問題は消えてしまった。だからA問題はたいしたことではなかった。でも問題はまだある。B問題はずっとあるんだから。という感覚です。

これは追究していくとキリがないともいえるかもしれません。最後は「でもまだ悟りを開けていないんですけど」ということになってしまうかもしれませんね。

すべてのことが一気に解決したら、それは素晴らしいのですが、私たちは今世だけでなく、ながーい時間をかけてさまざまな体験をしてきていますし、体験は人それぞれなので、道のりは人によって様々なんじゃないかなあと思います。そして場合によっては、人によっては、解決だけが人生の目的ではないという気もします。

 

ここでついでに、施術の変化についての確認方法についても触れると、1から10までのスケールで問題について考えたとき最高10最低1として、施術前にクライアントさんにどのくらいと思うか確認し、施術後にもそれがどのくらいになったか確認するという方法があります。キネシオロジーでもブレイン・ジムやタッチフォーヘルスなどではよくこのやり方を使いますね。TFTでもこのやり方を使っています。キネシオロジー系ではクライアントさんに聞くだけでなく、筋反射で数値を確認したりもします。

ただしこのやり方は、即効果が出る療法には向いているのですが、変化がゆっくり現れるようなものには向きませんね。

それで、空十色では、IH的なセッションになった場合は目標にたいしての筋肉反射をセッション前、後でチェックしています。手を上げてもらって「押しますね」という感じのあれです。

ただし、これは施術者側の確認という意味合いが強いです。

受ける側からしたら、施術者の力加減が前後で違うのではないかと疑った場合、同じですよ、という証明はできないです。また、前後で変化していても押される側ではその変化がよくわからないということもあるかもしれません。前のことを覚えていない、あるいは同じように感じるということです。

でも変化しているかどうかは、施術側ははっきりわかりますので、確認として行っています。

 

TFTは簡単ゆえに、脳が混乱して頂点問題ということがおきやすいのかもしれません。

ですが、比較的ゆっくり効果が表れるようなセッションの場合でも、似たような感覚が起きることがあるかもしれないなと思います。同じような体験をされた方、あるいはこれからされる方もいらっしゃるかもしれませんのでご参考までに。

 

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